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健康レポート

歯と健康の基礎知識第115回 『がん治療とお口のトラブル』 

抗がん剤の治療や放射線治療では、口の中が影響を受けやすい部位の一つと考えられています。
口の中が痛んだり、脹れたりカビ菌やウイルスの感染を受けたりして、食事がしにくかったり、会話もしにくかったりすることがあり、生活の質も低下し、低栄養になり、がん治療そのものも進まなくなることがあります。

口の中のトラブルの代表的なものは、口腔粘膜炎と口腔乾燥症です。口腔粘膜炎は、唇や歯ぐき、頬の内側、舌などの粘膜が炎症を起こすもので、出血したり、脹れたり、痛みのために食事をしずらく、ものを飲み込みにくく、味がわかりにくくなり、会話もしにくくなるもので、がん患者の方が悩まされることが多いものです。

また、口腔乾燥症は、唾液の分泌が少なくなり、口の中が乾燥して、虫歯ができやすくなり、粘膜の痛みや灼熱感を覚えるもので、やはり食事や会話がしにくくなり、ものを飲み込みにくくなり、入れ歯を入れている方は入れ歯のトラブルを起こしやすくなります。

一般に、抗がん剤治療を始めると、2から10日ぐらいに発症しやすく、3から4週目で元の粘膜の状態に戻るといわれています。一方、放射線療法では、毎日少しずつの量の放射線を2か月ぐらい浴び続けるので、長期にわたり、口腔粘膜炎や口腔乾燥症が持続することになります。

この様なトラブルを防ぎ和らげるためには、次の3つの事が大切だと、言われています。

@ 口の中を清潔に保つ、義歯を使用している場合には義歯を清潔に保つ。
A 口の中を保湿する。
B 痛みを和らげる薬を使用する。

歯科医院でのメンテナンスも選択の一つです。
抗がん剤を使用していると、骨髄の働きが抑制されるため、免疫を担っている白血球が減少して免疫が低下します。図は抗がん剤の使用と白血球の変化を例示したものです。

抗がん剤により、免疫力が低下すると、口腔粘膜や歯周組織からの感染のリスクが高まるため、歯科治療の一部は制限されることもあります。

次回からは、がん治療における口のトラブルの自己ケアの3つ柱を簡単に説明させていただきたいと思います。

また、ガン治療中のお口のことで相談したいときは、全国のがん診療連携拠点病院には『相談支援センター』が設置されているそうです。その病院にかかっていなくても無料での相談が可能なようです。

http://ganjoho.jp
『病院を探す→相談支援センターを地域別一覧から探す』